なかの皮フ科

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「たかの橋駅」徒歩1分、広島市中区にある女医のいる皮フ科

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酒さ・酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎

酒さとは頬、鼻、額などの顔が赤くなったり、ちいさなブツブツ(丘疹)がでたり、血管の開き(毛細血管拡張)を認めます。朝起きた時や動いていないときは皮疹は目立たず、急に外から部屋の中に入って暖かくなったり、入浴後などに血管が開くために赤くなるのが目立つのが特徴です。中年以降の女性に多いですが鼻に丘疹が多発したりや盛り上がってくる症状は中年以降の男性に多く見られます。

酒さは保険で行える治療が少なく、他の病気を併発していたり治療していても改善しない、再び増悪するなど完治することが難しいため、色々な治療を試したり病院をたくさん回ったりと悩みの深い、皮膚科医にとっても難しい病気のひとつです。私はロゼックスゲル®が日本で保険適応される10年以上前から使用し、生活指導を重視して、患者さんの悩みに耳を傾けて治療にあたってきました。また、保険適応後は製薬メーカー主催の講演などを行っています。

≪公演風景≫

酒さは気温の変化(寒暖差),紫外線,乾燥,アルコールやカフェインの大量摂取,精神的な緊張等で悪化します。ステロイド外用剤やタクロリムス軟膏、油性の化粧品などで起こる場合を酒さ様皮膚炎と言い、口の周りに紅斑や丘疹が起こる場合は口囲皮膚炎といわれます。また、誰の顔にも住んでいる毛包虫の数が増えることによっても起こります。海外では酒さ様皮膚炎と口囲皮膚炎の区別はありません。

【検査】
治療の前に酒さと似た症状で起こる別の病気との鑑別を行います。必要な場合には皮膚を一部取る生検が必要なこともあります。また、顔をダーモスコープで拡大したり、毛包虫を診るために顕微鏡検査を行います。

【治療】
治療は薬物療法、生活指導、レーザー又は光治療があります。

■薬物療法
現在のところメトロニダゾールゲルとアゼライン酸の外用剤が効果的です。(メトロニダゾールゲルはロゼックスゲル®という製品薬剤名です。アゼライン酸は保険適応外です。)
また、丘疹が強い時は抗生剤内服や症状の波を減らすために漢方薬の処方を行うことがあります。(内服薬は保険適応です。)

■生活指導
治療の柱の一つに生活指導があります。気温の変化、日光に当たる、乾燥が増悪の原因となるので、紫外線にはサンスクリーン剤(日焼け止め)の外用(当院ではノンコメドジェニックの製品を勧めています)、日傘、つばのある帽子、サングラスの使用を勧めます。また乾燥対策が必要ですが過度の保湿、オイルの使用は皮疹を増悪させます。酒さの人は乾燥肌と油性肌が混じる混合肌かつ敏感肌の人が多く化粧品選びは慎重に行う必要があります。

また、顔を触る、触れる行為が皮疹を増悪させます。現在ですとマスクや髪の毛が当たることも皮疹の増悪につながりますのでマスクの選び方や髪型の指導も行います。化粧品は顔に塗るアイテムを絞り、顔を触る回数を減らすよう勧めています。化粧品選びもご相談ください。

■レーザー治療・光治療
酒さに伴う毛細血管拡張は、外用剤で効果が乏しい場合にレーザー治療や光治療となる場合があります。(保険適応外)
レーザー治療とは、血液の中にあるヘモグロビンを標的として選択的に破壊します。簡単に言うと、赤い物質をターゲットにして赤い物質だけをこわすという仕組みです。当院ではVbeamII®という血管をターゲットにしたレーザーを使用します。(血管レーザーでは酒さも3~5回/2ヶ月程度を勧めています。)
また、VbeamII®が効きづらいとされる淡い赤みに対して光治療であるIPLのノーリス(Nordlys®)を導入いたしました。IPLは光治療器で、レーザーと比較して幅広い立波長を放出することで、治療効果を発揮します。幅広い波長を使いますが、ハンドピースを変更することでしみターゲットに改善する波長と、血管をターゲットにする波長というように悩みに合わせて選択ができます。酒さは、もちろん血管をターゲットとしたハンドピースを用います。ただ一度では効果が発揮できない事が多く、3~5回/6週その後もメンテナンスとして継続頂くことを勧めます。

【毛細血管拡張症(赤ら顔)】
入浴後や、寒い所から暖かい部屋など急な温度変化によって頬を中心に顔が赤くなることを赤ら顔と言われていますが、病名としては毛細血管拡張症となります。毛細血管とは髪の毛位の細い血管のことで、この血管が温度差で急に暖かくなる事で広がり赤くみえるのです。皮膚の表面には炎症などの症状はありません。この不要な血管はぬり薬やのみ薬で治ることはなく、レーザー又は光治療で不要の血管を破壊する事で目立たなくすることが可能です。
小さい頃からあるものや、血管がクモの様に広がっているもの(クモ状血管腫)、中央が隆起しているもの(星芸状血管腫)などは、保険で治療が可能ですが鼻のまわりの血管拡張や、酒さ、ざ瘡に併う血管拡張は保険が適応されません。
当院では、VbeamII®という血管をターゲットにしたレーザーや、血管用ハンドピースを持つ、ノーリス®という光治療器の2台があり、患者さんの症状にあわせて使いわけすることができます。
3~5回以上の治療が必要です。ただ1回でも赤みの軽減は期待できます。

内部リンク
VbeamⅡについてはコチラ
ノーリスについてはコチラ